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出雲国風土記百景(第8景)

夜の佐太神社

 秋鹿郡の神名火山(かんなびやま)は細川家本のテキストでは「郡家の東北九里卌歩、高さ卌丈周り四里」(391)となる。秋鹿郡の山は東からかかれるので、最初にかかれる神名火山は郡のもっとも東にあって、足日山(高さ170丈)よりだいぶん小さい山と認識されている(なお、『風土記』にはカンナビが山の最初にかかれるといったルールはない)。

 古代の秋鹿-島根郡堺の位置ははっきりしないが、佐太神社の前の講武川は島根郡の多久川と見られるので、佐太神社前あたりに郡堺があった。

 以上のように考えると、『風土記』は佐太神社の背後、標高98mの三笠山、あるいはさらに西側の標高171.6m地点(山名不明)あたりではなかったかと思われる。


下の写真は三笠山を南側の現在の下佐陀町などから撮影したもの。きれいな側面二等辺三角形の山容がうかがえる。


(2021年1月撮影)


※毎週土曜日に更新中。

 

・写真は加工されており、資料的価値ありません。写真としてお楽しみください。 ・本文中のアラビア数字は沖森卓也・佐藤信・矢嶋泉編『風土記』山川出版の行数です。

・解説は撮影者によるもので、出雲古代史研究会の公式見解ではありません。

・写真の無断転用はお断りします。

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