『歩いて学ぶ日本古代史』&『古代国家の形成と出雲国の誕生』の紹介
- 7月27日
- 読了時間: 2分
会員 吉松 大志
会員の吉松です。
今回は昨年私が関わった2つの書籍についてご紹介いたします。
夏休みシーズンとなり、旅行の計画を立てている方も多いと思います。
そうした旅行先の下調べや事前の学びにうってつけなのが『歩いて学ぶ日本古代史』(全3巻)です。
このシリーズでは、古代史の舞台となった史跡や有名な舞台を取り上げ、その歴史的な意義を解説するとともに、訪れて体感することのできる古墳や遺跡、博物館や資料館を紹介しています。
第1巻は「邪馬台国から大化改新まで」、第2巻は「律令国家の成立と天平の世」、第3巻は「平安遷都から武士の台頭まで」の構成で、教科書にも登場する有名な事件やトピックを30人以上の古代史研究者が執筆しています。特に、各項末に資料館や博物館のHPのQRコードを載せているのが新しい試みで、より詳しい情報に簡単にアクセスできます。
私も第1巻に「出雲世界の神話と歴史」という題で末席に加えていただきました。出雲大社や出雲国造について、知っている方にも知らない方にも分かりやすいように、その歴史的意義や謎めいた魅力について書かせていただきました。特に古墳時代後期とよばれる6世紀~7世紀頃の出雲古代史の重要性を強調したつもりです。
そして、その時期の出雲の歴史をより詳しく解説したのが、松江ふるさと文庫の一篇として刊行していただいた『古代国家の形成と出雲国の誕生』になります。
今から1500年前の出雲で活躍していたのはどのような人々だったのか。また彼らはヤマト王権やそれを支える中央豪族たちとどのような関係を取り結んでいたのか。そして7世紀にかけてどのように「出雲国」という地域的なまとまりが生まれていったのか。これらを当時のヤマトにおける大王権力の変遷とからめながら描いてみました。
「出雲国造」を中心に語ることの多かった古代出雲史を、これまでにない視点で述べてみたつもりです。税別800円と手に取りやすい価格となっていますので、ぜひご一読いただきたいと思います。