このころ藤原道長をはじめとする貴族たちは、政務や儀式の覚え書きとして日記を書いていました。道長の時代で最も詳しい日記は、『#小右記』です。作者は、#藤原実資、ドラマにも登場します。このたび『小右記』の現代語訳の第16巻が刊行され、完結しました。
倉本一宏 編
『現代語訳 小右記』全16巻
本体3200円、吉川弘文館、2023年4月
[最新刊]16巻 長元3年(1030)正月~長久元年(1040)11月 部類記作成開始
藤原道長の亡き後、まだ年若い息子の頼通(左大臣)が、政務や儀式を担うようになりました。知識に詳しい実資(右大臣)の存在感は、前にもまして大きくなります。高齢の実資たちは、書き続けた日記をもとに、記事をジャンルごとにわけた部類記の作成にとりかかります。しかし、その作業のさなかに実資は世を去ってしまい、日記もとじることになったのでした。
《参 考》
服藤早苗/高松百香 編著『藤原道長を創った女たち』明石書店、2020年、本体2000円
新古代史の会『人物で学ぶ日本古代史3』吉川弘文館、2022年11月、本体1900円