委員 吉松大志
みなさんこんにちは。出雲古代史研究会委員の吉松です。
出雲の古代史をさまざまな角度から学べる本をおススメするブログ
今回は神社マニア必携の一冊をご紹介します。
(改訂版、報光社、2020年、A5判、339頁、2,000円)
奈良時代につくられた『出雲国風土記』の特徴の一つに、当時出雲国に存在した神社399社の社名が記載されている点が挙げられます。これは他の国の風土記にはみられないもので、「神の国」出雲を形作る重要な要素です。
奈良時代のこれらの神社はさまざまな変転を経て現在に至ります。著者の増尾氏は、風土記社に比定される現在の神社すべてを訪れ、江戸時代の史料も用いながら、1300年前の神社の姿に迫っています。
増尾氏は、岡山県の高校の物理教師として教鞭を執るかたわら、20年近く出雲に通い全神社を踏破したそうです。その熱意と情熱に敬意を表さざるを得ません。
著者撮影の神社の写真も、1社につきほぼ4枚ずつ掲載されており、ページをめくるだけで臨場感を味わえます。もちろん現地を訪れる際にも便利です。
あまりに人気の書籍で古本でもプレミア化していて、簡単には手に入りませんが、島根県立図書館などに配架されていますので、ぜひお手に取ってみてください。
→次回は1月末更新予定。