委員 吉松大志
みなさんこんにちは。出雲古代史研究会委員の吉松です。
出雲の古代史をさまざまな角度から学べる本をおススメするブログ
最終回となる今回は、出雲大社のバイブルとも言うべき一冊です。
千家尊統『出雲大社』
(学生社、初版1968年、四六判、261頁)
「学生社日本の神社シリーズ」のうちの1冊で、著者は第八十二代出雲国造の千家尊統(たかむね)氏。民俗学の造詣が深い国造自らが、境内社殿や摂社末社の姿、古式ゆかしい祭りの数々を紹介しています。さらに、出雲神話の世界や出雲国造の成り立ち、神賀詞の意味など、出雲大社を考える上で欠かせない歴史学的なトピックも解説しています。
出雲大社で行われる数々の祭祀は、詳細について記した史料が少なく、実際にそれらの祭祀を毎年続けてこられた国造自らによる説明や歴史的な解釈には重みがあります。刊行から50年以上を経た現在においても、その価値は色褪せることはありません。出雲大社を参拝する前に本書熟読すれば、現地に立った時の社殿や祭りの様子がまるで違って見えることでしょう。いにしえの出雲の雰囲気にどっぷりと浸かりたい方、ぜひご一読を。
「古代出雲を学ぶ〜オススメ書籍紹介〜」は今回をもって終了となります。1年間の長きにわたりお読みいただきありがとうございました。ご紹介した11冊➕αの中で、1冊でも皆さんの琴線に触れるものがあれば、これに勝る喜びはありません。現在、委員が自著を紹介するブログが連載中ですので、今後はぜひそちらをお楽しみに。