委員 吉松大志
みなさんこんにちは。出雲古代史研究会委員の吉松です。
出雲の古代史をさまざまな角度から学べる本をおススメするブログ
第3回目は古代出雲や風土記に興味をもった初心者にぴったりの本をご紹介します。
勝部昭著
『出雲国風土記と古代遺跡』 (日本史リブレット13)
(山川出版社、2002年、A5変型判、110ページ、税込880円)
県職員として長きにわたり島根県の遺跡の調査や文化財保護に携わった勝部昭(しょう)氏が、『出雲国風土記』やさまざまな古代出雲の遺跡について平易に紹介した本です。
「くにびき神話と出雲国の成り立ち」「雲太といわれた出雲大社」「山陰道の要衝・出雲国府」「仏教の広まりと風土記時代の人々の営み」「共生の北つ海ネットワーク」の5章からなり、それぞれに図や写真をふんだんに使いながら、古代出雲の魅力についてわかりやすく解説しています。
全部で110ページほどなので、途中で飽きることなくサクサクと読み通すことができ、「タイパ」もばっちり。難しい専門用語や遺跡名などには、本文上に解説が付いているので(例えば「高天原 神話において語られる天上の国で、アマテラス大神が支配した」など)、いちいち辞書を引いたり検索したりぜずに、すらすらと読み進められます。
何かと物価が上がっているご時勢ですが、1,000円でお釣りがくる手ごろな価格も「日本史リブレット」の魅力の1つです。「古代出雲に興味はあるけど何がすごいの?」「出雲の古代遺跡について手軽に知りたい」という高校生・大学生にぴったりの一冊です。ぜひ読んでみてください。
→次回は6月末更新予定。