昨年の2020年は、720年に成立した『#日本書紀(#日本紀)』の編さん1300年めという節目にあたりました。この節目にあわせて、『日本書紀』や神話にかかわる本が数多くだされています。今回、ご紹介する本も、1300年もの間に語り継がれた『日本書紀』と「出雲」のイメージの移り変わりを各分野の方がまとめあげた一冊です。
『日本書紀と出雲観』島根県古代文化センター研究論集26
ハーベスト出版、2021年、本体2000円
今の私たちが思い描く出雲の「縁結び」「神在月」「ぜんざい」などは、主に観光キャンペーンにより広まったイメージです。神話も今までの本・テレビに加えて、コミック・アニメ・ゲーム・YouTubeなどをつうじた新しい語りも次々とうまれています。語りとイメージは、今までもこれからも繰り返し繰り返しつくられていくことでしょう。
《参 考》
大日方克己「本居宣長・小篠敏ネットワークのなかの『出雲風土記抄』(『社会文化論集』14、2018年3月、島根大学法文学部紀要社会文化学科)
高橋周「近世出雲における『出雲国風土記』の写本とその系譜」(『古代文化研究』26、2018年3月、島根県古代文化センター)
島根県古代文化センター『解説 出雲国風土記』今井出版、2014年3月、定価1852円