『出雲国風土記-地図・写本編-』(八木書店、2022年、本体8000円)
『出雲国風土記-校訂・注釈編-』(八木書店、2023年、本体5000円)
これをうけて出雲古代史研究会は、2023年 大会のテーマを「『出雲国風土記』研究の最前線-そのテキストを考える-」とし、4つの報告をそろえました。今回のご紹介は、文学からアプローチする山村桃子報告です。
『出雲国風土記』研究の最前線
-そのテキストを考える-
校訂本文にみる神話風景
-国引き条を中心に
細川家本に忠実に従った今回の校訂本文は、これまでの校訂を反省する契機となっている。意宇郡国引条「堆」、秋鹿郡恵曇郷条「権」は従来「稚」に校訂され、記紀「国稚く」のように未熟な状態の表現に解釈されてきた。しかし細川家本の文字はいずれも土地の祝福に繋がる表現と考えられる。そこから見える神話の風景について考えたい。
→次回更新2023年7月29日(土)