平安時代のころから貴族たちは日記を書き続けました。『#小右記』は、#藤原道長 と同じころに生きた、#藤原実資 が書いた日記です。その現代語訳の第12巻がでました。
倉本一宏 編
『現代語訳 小右記』全16巻
本体3000円、吉川弘文館
[最新刊]12巻 治安3年(1023)正月~治安3年(1023)12月 法成寺の興隆
藤原実資は、ケガがもとで顔にできた腫物を治すにあたり、夢にでてきた治療法を医師に相談したうえで治しています。当時は神仏に願うだけでなく、医師や医学書、薬草などの治療もあり、お互いに補いあっていました。今でも風邪の時の葛根湯といった漢方薬が有名でしょう。
息子の藤原頼道に摂政などをゆずり、僧となって政界から退いた藤原道長ですが、政治にかかりつづけました。そのかたわら、仏道にもうちこむようになります。この5年後に道長は亡くなりました。
《参 考》
繁田 信一「平安貴族社会における医療と呪術」『宗教と社会』1、1995、「宗教と社会」学会
樋口健太郎『摂関家の中世』吉川弘文館、2021年3月、本体1800円